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Don’t put it in the box 箱にいれないで

少し離れた国の王女は、蜘蛛がまぶたに足先をかけた瞬間に目を覚ました。身体に痛むところがないので、自分は死んだのだと思い歩き出した。

夏の森は涼しくちょうど天国のようだったのだ。白く塗られた二階建ての家を見つけた。切長の目をした若い女性が、彼女を笑顔で招き入れた。ヒースのお茶と餡子を包んだ蒸団子を、振る舞われ、全ての重責から逃れていた。湯の沸く音が力強く部屋に広がった。

切長の目の人は、しばらくすると、小さな箱に入ったりすの赤ちゃんを連れてきた。

王女は生き物を飼うことを許されていなかったので、初めて手のひらに温かな重みを感じて嬉しくなった。そして自分はまだ生きていると思い直した途端、こんなところにいてはいけないという視線を感じて席を立った。その切長の目の友達は悲しそうであったが、そのまま栗鼠の赤ちゃんを受け取り箱にしまった。

王女の瞳は左右違ったものだった。砂漠の夜と夕焼けで照らされた岩の影といった微かな違いだが、自分の顔を見るたびに、揺らぐ黒にいつも先を越されていた。王女は瞳の意思に沿って生きていたのだ。多くの人は自分の目は自分自身だと思うだろうが、ある種の人にとっては瞳が自分よりも歳を重ねていて、知恵を持っていることがあったのだ。

自分の脚がしっかりと地面を掴んだ今、少し離れた国の王女は、白く塗られた二階建ての家を再び訪れた。

二杯目のお茶は遠慮したものの、切れ長の目をした友人に「栗鼠を見せてほしい」と頼んだ。

返事もそこそこに、彼女は箱を差し出した。

王女はその箱を静かに開けた。

王女の瞳の色は、入れ替わり時間を遡り、そして真っ直ぐに小さな命をとらえた。

彼女は「違う」とだけ言った。ほんの数時間でりすの赤ちゃんは息耐え、切長の目の人は代わりのりすを見つけて箱に入れていた。

少し離れた国の王女は、初めて自分が殺した魔女たちの声を聞いたのだった。


By the medium necks

Thank you so much  for looking through this.

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